鴨川のはりねずみ

ag WHP01Kのレビュー

目次

6月末にヘッドホンを新調し, だいぶ使い込んだのでレビューです. ag WHP01K です.

以前のヘッドホン

ヘッドホンは主として自宅用で, 聴くのは主に管弦楽および室内楽です. これまで使用していたのは AKG の N60 NC でした. この機種は期待通り AKG らしい非常に優れた音質で聴かせてくれていたのですが, Bluetooth 使用時にノイズキャンセルをオフにできないのが不満でした. 自宅での夜間使用時にはノイズキャンセル由来と思われるノイズがやや気になっていたのです. オンイヤー型なのも長時間の使用に向きません.

選定基準

今年の6月頃に AKG の充電端子が破損したためヘッドホンを新調することにしました. 新調するにあたって以下の基準を満たすものが欲しいです.

  • 予算 1万5000円以下.
  • クラシック向きの音質.
  • Bluetooth 対応.
    • スマートフォンにイヤホンジャックがない時代ですからね1. 逆にデスクトップに Bluetooth がないのですが, デスクトップ使用時はたいていスピーカーなので問題ないでしょう.
    • 音質と両立するために最低限 aptX は必須.
    • ゲーム用途ではないため, 多少の遅延は問題なし.
  • オーバーイヤー型ヘッドホン.
    • 自宅用としてはイヤホンはかなり疲れるので好きではありません. オンイヤー型も同じく.
    • 開放型だとなお良しですが, そうすると条件を満たすヘッドホンが見つからなかったので諦めました.
  • ノイズキャンセルはなくても良いが, 搭載されている場合はオフにできること.

これらの条件をもとに検討した結果, 以下のふたつの機種が候補になりました.

ag というブランドは聞き覚えがなかったのですが, final のサブブランドのようです. final のイヤホンは以前試聴したときにかなり良い音質で好印象でした. 対する Sennheiser はドイツの老舗ですが, 試聴したことがあるはずなのにもかかわらずほとんど印象に残っていませんでした. 試聴しに行って音質の気に入った方を買うのがベストではありますが, あまり人混みの中に出掛けたくはありません. Sennheiser はより高級なモデルもありますから, きちんと試聴して音質に納得してから購入したいところです. 悩んだ末に高評価レビューの多かった ag にしました.

ag WHP01K の評価

まず気になるのは音質面ですが, 想定を上回る高音質です. AKG のように感動するほどの手触りがある, という訳ではないですが, 1万円を切るという価格帯としては文句のつけようがありません. 全体的に平坦で無個性に思いますが, むしろ変に味付けされる方が嫌なので, この機種にして正解でした.

装着感はオーバーイヤー型らしくあまり負担もなく快適です (密閉型なので密閉されてる感はあります). ただし, 耳の大きな方はすこし被さってしまうかもしれません. 日本人の平均サイズなら大丈夫だと思いますが, 不安なら実物で確認した方がよいかもしれません.

そしてノイズキャンセルが意外なほど優秀です. 使用期間がちょうど夏だったので, 主にエアコンや扇風機の音をかなりの程度まで消してくれました. ただし, あまり外で使わなかったので, 電車や飛行機で使うとどうなるかはわかりません.

さらに, マイク搭載でもあるので, ビデオ通話にも使えます. Win10 と接続したときにマイクの設定で少し苦戦しましたが, 気づいたらできてました. バッテリーは, 一日に2時間程度の使用ならば, 一週間に一回程度の充電で足りています. これだけ機能盛り盛りで1万円を切っているなんて信じられません.

この機種には悪い点もあります. 電源やノイズキャンセルのオン/オフを切り替えると英語でアナウンスが流れるのですが, その音量が大きすぎます. 現状ではこれらの操作は頭に装着していないときにすることで解決していますが, どうにかして欲しいところです. また, その結果オンと言っているのかオフと言っているのか聞き取りづらく, オフにしたつもりがオンにしていた, ということもありました. ランプで確認することはできますが, これではアナウンスの意味がありません. いっそアナウンスはなしでランプだけの方が快適だったかもしれません.

注意

これから ag WHP01K を購入される方はノイズキャンセルのオン/オフがわかりづらいので注意してください. 電源のオン/オフは (電源とは言っているものの) Bluetooth のオン/オフなのであって, ノイズキャンセルとは無関係です. Bluetooth + ノイズキャンセルで使用するためには, 電源とノイズキャンセルを両方オンにする必要があります. そして使用終了後には電源とノイズキャンセルを 両方 オフにする必要があります. 電源をオフにしただけではノイズキャンセルがオンのままで, 無駄にバッテリーを食ってしまいます. 電源がオフだとアナウンスは流れないので, ランプで確認すると確実でしょう.

ただこの仕様は逆にメリットでもあって, 電源をオンにせずともノイズキャンセルだけをオンにしたり, 有線 + ノイズキャンセルで使用したり, といったことが可能になります. 仕様を把握しておけばあまり戸惑うことはないと思います. 製品ページにも説明があります.

総評

ag WHP01K は, この値段であるにもかかわらず, 音質, ノイズキャンセルともに高クオリティでおすすめの機種と言えます. 特にテレワークのお供 (ビデオ会議と作業用 BGM) に向いていると思います. ただし, 欠点とまでは言えないものの上記のような留意点もあるので, 購入する際には認識しておきたいところです.

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USB-C 変換アダプタを持ってはいますが, 無線に慣れるとケーブルが邪魔で仕方ありません.